最近、多くのソフトハウスやコンサルティング会社が「AI導入」という言葉を使っています。AI導入支援。AI開発。AI活用コンサルティング。
確かにAIは素晴らしい技術です。しかし私たちは、この「AI導入」という言葉に少し違和感を感じています。
なぜなら企業が本当に欲しいものはAIではないからです。企業が求めているのは、
- 利益を増やしたい
- 人手不足を解消したい
- 業務を効率化したい
- コストを削減したい
といった経営課題の解決です。AIそのものを導入することが目的ではありません。
これまでのDXはシステム導入だった
これまで企業のDXは、大規模なシステムを導入することが中心でした。ERPや基幹システムを導入し、自社業務に合わせてカスタマイズする。しかしその結果、
- 高額な開発費
- 長期間の導入プロジェクト
- 高額な保守費用
- ベンダーロックイン
といった問題が発生しました。そして気付けば、システムに業務を合わせるために現場が苦労するという、本来の目的とは逆の状況も少なくありません。
これからは専門ソフトを組み合わせる時代
現在は状況が大きく変わっています。請求書発行なら請求書ソフト。顧客管理なら顧客管理ソフト。会計ならクラウド会計ソフト。業務ごとに優れたクラウドサービスが数多く登場しています。しかも多くは月額課金で利用でき、導入コストも非常に安価です。
必ず発生する「人によるつなぎ作業」
しかし、複数のサービスを組み合わせると新たな課題が発生します。データ形式が違う。入力ルールが違う。システム間で連携できない。その結果、Excelで加工する、メールの内容を整理する、別システムへ転記するといった「人によるつなぎ作業」が発生します。
実は多くの企業で、社員の時間が最も奪われているのはこの部分です。
AIが活躍する本当の場所
AIが最も力を発揮するのは、この人によるつなぎ作業です。データの整理、情報の要約、分類作業、転記作業、文書作成、情報抽出——これらはAIが非常に得意とする分野です。
つまりAIは業務全体を一気に置き換えるものではありません。人が行っている細かな業務を少しずつ置き換え、生産性を向上させる存在なのです。
AI導入に高額な投資は必要ありません
AI活用を始めるために、いきなり数百万円や数千万円を投資する必要はありません。まずは1人あたりわずか数千円のChatGPTビジネスプランを契約し、社員一人ひとりが日常業務で使ってみることから始めてください。
現場で働く社員がAIを使いこなし、「この作業はAIに任せられる」という気付きを増やしていくことが、AI活用の第一歩です。
AI改善スパイラルを早く回した企業が勝つ
AI改善スパイラル
- 一つの業務をAI化する
- 人件費・外注費・保守費が削減される
- 削減できた費用を次の業務改善へ投資する
- さらに効率化が進む → ①に戻る
この改善サイクルを繰り返すことで、企業全体の利益体質は大きく変わっていきます。競合他社よりも早くAI改善スパイラルを構築できた企業が、これからの時代をリードしていくでしょう。
まとめ
重要なのはAIを導入することではなく、業務をAIに置き換えることです。
まずはChatGPTを使いこなす。業務を分解する。AIに任せられる仕事を見つける。小さく成功する。削減できたコストを次の改善へ投資する。この積み重ねこそが、本当の意味でのDXです。